絹からつくったボディタオル

「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界文化遺産に登録され、世界中から注目を浴びている群馬県の絹。 歴史ある絹産業の街で生まれたオリジナルの絹の品種である「ぐんま200」の魅力をまとめました。

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「ぐんま200」は歴史的にも養蚕・製糸業が盛んな群馬県で平成6年3月に誕生した蚕品種。その名前は今後の群馬の蚕糸業の発展に大きく寄与することを願うとともに群馬県民が200万人に達したことを記念して命名されました。丈夫な蚕が育ちやすく、生糸量が多く糸の白色度が高いため加工にも適していることから和装・洋装と幅広く活用できるというメリットがあり、現在、群馬のオリジナル蚕品種の中で最も活用されています。


養蚕の多回育化および蚕種製造の効率化を測るために、春、初秋、晩秋蚕期のいずれの蚕期でも飼育できる通年蚕品種として生まれました。


本蚕品種は日本種の「ぐんま」と中国種の「200」との掛け合わせによる二元交雑種で、虫質が剛健の種類になります。


解じょ率とは繰糸する際に繭層から繭糸が解離する状態をいいます。一つの繭からとれる糸の量が多いので製糸としてとれる割合が高いパフォーマンスのよい蚕です。


ぐんま200の繭からできた生糸は、節が少なく、極めて白く加工しやすいことから和装、洋装と幅広く利用されています。





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現在、国産の絹は激減しており、アイセンがボディタオル製造で協力いただいているミヤマ全織さんでは新しい取り組みとして、蚕を育て絹を採る養蚕業へ参入し、自ら育てた蚕から取れた絹でボディタオルを作るという取り組みを行っております。ぐんま200のボディタオルの一部もそのように自分たちの手で育てた蚕からとれた絹を使って生産されています。今回ミヤマ全織の代表である代表取締役 長竹敏次様に養蚕業への取り組みについて伺いました。

―まずはじめに、どのような取り組みをされているか お聞かせください―

2016年の春から蚕を育てる養蚕に着手し、そこで育てた蚕を碓氷製糸さんに納品し、絹を糸に加工してもらい、さらにそれを自社にてボディタオルへと加工しています。養蚕ではある程度のサイズ(3齢)に育てられた蚕が稚蚕共同飼育所から配られる配養という段階(生まれてから約8日目)からスタートし、営繭といわれる蚕が繭を作る段階(生まれてから約25日目)まで育てています。これを春から秋まで、年に3〜4回行っています。


―なぜ、養蚕業への参入をしようと思われたのですか?―

みなさんは日本における絹産業の現状をご存知ですか?この資料をみていただきながらお話を聞いていただければと思いますが、戦前の日本では、世界文化遺産に登録された富岡製糸場を中心に世界一の絹輸出国となっていました。しかし戦後、海外の安価な生糸の需要増やナイロンなどの化学繊維の登場によって日本における生糸の需要は減少の一途をたどりました。昭和40年に70,000戸以上の農家があり、20,000t以上の繭が採れ、およそ42,000俵をとれた生糸は、平成25年の時点で181戸の農家、57tの繭、294俵の生糸の生産量まで下がっています。生糸の生産量から見るとこの50年近くで、実に140分の1程度にまで減少しています。

このような日本の絹の現状にあって、長い間加工・製造の立場から絹製品の取り扱い、その流れを肌で感じてきた中で群馬における養蚕業が途絶えてしまう危機感を抱いていました。時代とともに子供のころから身の回りに当たり前にあった養蚕農家が、次々になくなっていく。さらに本業のボディタオル・あかすり製造の仕事の周辺で関わる養蚕農家の方も高齢の方ばかり。このような現状に直面し、このままでは群馬の養蚕業はいずれ途絶えてしまうと感じていました。そんな折、ちょうど養蚕業への参入ハードルが低くなり、県や大日本蚕糸会から助成がでるようになったことも追い風になり、自身も生産の立場に立つことを決意しました。そして、昨年の春から養蚕業への参入が実現したという経緯になります。

昨年、初めてのシーズンとなった2016年に採れた蚕の量は自社が1年で使う絹の10分の1にも満たない程度でした。自社で製造する分をまかなうにはまだまだ遠いかもしれませんが、自分たちで原材料に関わっていくという取り組みや姿勢は養蚕業のような「途絶えつつある産業に関わる製造業に従事するものとして当たり前のことになる」のではないかと感じています。

―今後も、養蚕業を続けていきたい―

助成金が出るといっても養蚕業は商売レベルで考えたときに採算がとれる水準ではありません。同時に別の事業も行わなければ採算がとれず、その具体的な計画についても県に提出しなければ養蚕業を始める事はできません。そのようなハッキリ言ってしまえばメリットが望めない養蚕業を、なぜ始めようと思ったのか。それは私自身の生まれ育った環境に理由があるのではないかと思います。幼少時から蚕が当たり前にある生活を過ごしてきたこと、仕事をする年齢になり絹製品に携わる仕事してきたこと、そしてそれまでに関わってきた人たちの存在が大きいと感じています。養蚕業は一度途絶えてしまうと、再開するのがとても大変だといいます。であれば、途絶えてしまわぬように、後世へと引き継ぐ何かしらの手伝いを自分たちができれば・・・と感じています。

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【ミヤマ全織のプロフィール】

昭和30年に創業、昭和49年に設立したあかすり、ナイロンタオル、ボディータオル各種、国内産生糸使用のタオル、ボディタオルを製造。20年以上前から群馬県産のシルクを使ったボディタオルの製造に着手、昨年から蚕の養蚕の着手をはじめている。写真は代表取締役の長竹敏次さん。




※こちらの製品はまだ現在アイセンでは購入することはできません。ご了承ください



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